• スマクラ
  • お役立ち情報
  • EDIとは?EDIシステムの仕組み・メリット・導入方法・Web-EDIと法制度対応まで徹底解説「EDIガイド」

EDIとは?EDIシステムの仕組み・メリット・導入方法・Web-EDIと法制度対応まで徹底解説「EDIガイド」

EDIを分かりやすく説明「EDIガイド」EDIとは?EDIシステムの仕組み・メリット・導入方法・Web-EDIと法制度対応まで徹底解説

スマクラの営業をしています。私たちが記事を作成しました。ここではEDIとは?EDIシステムの仕組み・メリット・導入方法・Web-EDIと法制度対応についてご説明します。筆者 SCSK株式会社 営業部 スマクラ担当

EDIガイドの完全版です。EDIやEDIシステムの基本から、EDIシステムの導入方法、Web-EDIの特徴、法制度対応まで、業務効率化に役立つ情報をわかりやすくまとめました。EDI導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

1.EDIとは?EDIシステムとの違いも解説

EDIとは、企業や組織の間で共通のルールと通信プロトコルを使ってデータを交換する仕組みのことです。一方、EDIシステムは、この仕組みを実現するためのソフトウェアやサービスを指します。つまり、EDIは「概念」、EDIシステムは「実際に運用するためのツール」です。

EDIには、企業間の受発注などのデータ「商流EDI」と、企業と金融機関の間の振込に関するデータ「金融EDI」があります。

企業と取引先との間では、受発注・請求・支払いなど、さまざまな取引情報がやり取りされます。製造業界では、メーカー、卸売業、各拠点や工場、物流センターなどの間で発生する取引データが、通信回線を通じて電子データの形で送受信されます。調達業務では、取引データに加えて部品情報や仕様書といった技術データもEDIシステムで交換されます。

また、EDIは、取引データの送受信や販売管理システムといった企業内の他の基幹システムとの連携を自動化することで、一旦紙に印刷したり、CSVファイルに出力したデータを別のシステムに再登録や再入力といった無駄な作業を廃止し、業務効率化やデータ精度の向上につながります。

企業対企業(B2B)の取引が日常的に数多く行われる製造業界や流通業界にとって、事業運営の効率化に欠かせない仕組みです。

商流EDI、金融EDI

商流EDI、金融EDI

製造業における技術情報のEDI例

製造業における技術情報のEDI例

2.EDIの種類とWeb-EDIの特徴は?

EDIには代表的な分け方としての3つの種類 「(業界ごとの)標準EDI」「業界VAN」「個別EDI」があります。
次に、通信手段(固定電話、インターネット)による分け方では「レガシーEDI」「インターネットEDI」があります。
さらに、インターネットによるEDIには「Web-EDI」「インターネットEDI」があります。

    標準EDI
  • 標準EDIとは、業界ごとに制定されたルール(規約・規格)に従って、標準書式の見積書や注文書などのビジネス文書を企業間でやり取りする、通信回線を用いた電子商取引の仕組みのことです。業務効率化、コスト削減、迅速な情報共有、データの正確性向上、取引先との関係強化などのメリットがあります。
    代表的なものとして、製造業界の「ECALGA」、流通業界の「流通BMS」、中手企業向けに簡易化された業界汎用の「中小企業共通EDI」があります。
    業界VAN
  • 業界VANとは、特定の業界に特化したネットワークサービスです。
    プラネット(日用品業界VAN)やハウネット(家庭用品・食品軽包装業界VAN)、ファイネット(酒・加食業界)、JD-NET(医薬品業界VAN)などが業界VANの例として挙げられます。
    個別EDI
  • 個別EDIとは、データ交換の形式やフォーマットが取引先毎に取り決められたEDIです。
    カスタマイズの自由度が高く、取引先ごとに専用システムを構築できるため、取引先が少ない場合に適しているといえます。
    一方、取引先ごとに専用システムを構築することは、取引先が多い場合には効率が悪いという欠点にもなり、多く取引先を持つ場合には不向きです。
    また、発注者主導でルールが決まることが多いため、個別EDIで得意先と取引する受注者は、いわゆる多画面問題(得意先ごとに画面表示やレイアウトなどが異なり、運用に手間がかかる問題)により運用負担が増える傾向にあります。
    インターネットEDI
  • 現在のEDIは、通信回線にインターネットを用いた電子データ交換が主流で、これを一般的に「インターネットEDI」と呼んでいます。
    2024年1月の固定電話網のIP化(ISDN回線サービス(INSネットのディジタル通信モード)終了)により、レガシーEDIからインターネットEDIやWeb-EDIへ多くの企業は移行済みかと思います。
    レガシーEDI
  • レガシーEDIは、通信手段に固定電話回線を用いる古いデータ交換の仕組みです。
    Web-EDI
  • Web-EDI(Web EDI)とは、インターネットを介して取引先との商取引データを電子的にやり取りするシステムです。受発注、納品、請求などの業務プロセスを効率化し、企業間取引をスムーズにします。
    従来のEDIシステムがVANや専用回線を使用していたのに対し、Web-EDIはインターネットを利用することで、より低コストで柔軟な運用を可能にしています。
    Web-EDIはインターネットEDIの中に含まれていて、主に「Webブラウザ型Web-EDI」と「ファイル転送型Web-EDI」の2種類に分類されます。企業は自社のニーズや取引形態に合わせて適切なWeb-EDIを選択することができます。
Webブラウザ型Web-EDI Webブラウザ型Web-EDIは、インターネットブラウザを使ってEDIシステムにアクセスし、データのやり取りを行う方法です。
特別なソフトウェアをインストールする必要がなく、普通のウェブブラウザ(例えば、Google ChromeやMicrosoft Edge)を使って操作します。インターネットに接続できる環境があれば、どこからでも利用できるのが利点です。一方、Web画面のため手入力が多くなり、Web画面がサービス提供各社毎に異なるといったデメリットがあります。
ファイル転送型Web-EDI ファイル転送型Web-EDIは、専用のファイル転送ソフトウェアを使ってデータをやり取りする方法です。
データを一定の形式で作成し、そのファイルを送信します。この方法は、大量のデータを効率的に転送するのに適しています。ただし、専用ソフトのインストールが必要です。
3.EDIシステムを導入するメリット・デメリット

●EDIのメリット(EDI取引のメリット)

    業務の自動化
  • EDIシステムを導入することで、以下のような業務を自動化できます。
  • ◎受発注書類の作成と処理: 注文書や納品書の作成、印刷、封入、送付といった人的業務が不要になります。
    ◎データ連携: 受発注など取引に関わるデータ連携業務をすべて自動化できます。

業務の自動化

    ペーパーレス化・コスト削減
  • EDIシステムを導入することで、紙媒体でのやり取りを電子データに置き換え、ペーパーレス化を実現できます。これにより、以下のコスト削減効果が期待できます。
  • ◎受発注など取引に関わる郵送代、用紙代、印刷代の削減
    ◎紙作業にかかる人件費の削減
  • 取引社数が多い、あるいは取引頻度が高いほど、ペーパーレス化によるコスト削減効果は大きくなります。

ペーパーレス化・コスト削減

    業務スピードの向上
  • EDIシステムを導入することで、手作業で行っていた業務が自動化されます。これにより、注文データが出荷や納品の元データとして引き継がれるため、以下の効果が期待できます。
  • ◎出荷データや納品データ作成の手間や工数が大幅に削減されます。
    ◎注文から商品納入までのリードタイムが短縮され、企業間取引の業務スピードが向上します。

業務スピードの向上

    正確性の向上・人的ミスの削減
  • EDIシステムを導入することで、以下の業務が自動化されます。
  • ◎受発注に関わる書類作成(注文書や納品書など)、印刷、封入、送付などの手作業
    ◎伝票入力作業や受領したCSVファイルの連携作業
  • 例えば、注文者が入力した発注データは、サプライヤーの基幹システムに受注データとして直接連携されます。これにより、以下の効果が期待できます。
  • ◎手作業による業務プロセスがなくなり、人為的なミスが発生しなくなります。
    ◎数量の桁間違いやファイルの展開ミスなど、人的ミスを防ぐことができます。
    ◎企業間で連携するデータの正確性が向上します。

正確性の向上・人的ミスの削減

    サプライヤーとの連携強化
  • EDIを利用し、サプライヤーと相互の基幹システム連携を実施することで、企業間取引に関する業務効率が向上します。
    EDI取引の実施だけでも業務効率化やリードタイムの短縮といったメリットがありますが、さらにEDIに密接に連携したサプライヤーポータルと電子契約システムを同一プラットフォーム上に構築することで、以下のようなサプライヤーとの連携強化が期待できます。

サプライヤーとの連携強化

    法制度対応の容易性
  • EDIシステムの導入により、取引に要する書類が電子化され、一元的に管理できるようになることで、「電子帳簿保存法」や「インボイス制度」といった法律・制度への対応が容易になります。
    EDIシステムやEDIサービスには、これらの法律・制度に対応した機能を持つものもあります。
    後者の場合、法律・制度に対応した機能の開発・保守の責任はEDIサービス・プロバイダー側となるため、法令遵守の点、および社内の情報システム部門の運用負荷軽減の点からも有用と言えます。

法制度対応の容易性

●EDIのデメリット(EDI取引のデメリット)

    サプライヤーの導入ハードルが高い
  • EDIシステムの導入は、サプライヤーが同じシステムを採用している場合にその効果を最大限に発揮します。
    取引先の技術的対応が不十分な場合、従来の手作業のプロセスと併用する必要が生じ、データ互換性や標準の違いが問題になることもあります。そのため、サプライヤーとの調整や追加の開発が必要になる場合があります。
    業務プロセスの変更
  • 新規EDI導入やシステム刷新には、業務プロセスの変更が伴い、従業員の教育やトレーニングが必要となる場合があります。
    費用対効果
  • EDIシステムの導入には初期費用が発生し、ハードウェアやソフトウェアの購入費用、インフラ整備費用、導入コンサルティング費用などが含まれます。また、自社構築の場合、24時間365日の対応が必要となるケースも多く、導入後も運用サポートや保守に関するコストが継続的に発生します。
    システムの不具合やトラブルへの対応、バージョンアップやセキュリティ対策の更新作業にも費用がかかります。
    システム障害のリスク
  • EDIシステムに障害が発生した場合、業務に重大な影響を及ぼす可能性があります。
    システムのダウンタイムやデータの不整合が生じると、取引先との連携が滞り、納期遅延や誤出荷のリスクが高まります。これを防ぐためにバックアップ手段や代替業務プロセスの準備が必要ですが、そのための準備や運用コストも無視できません。
4.EDIシステムの導入方法は?

EDIシステムの導入方法には、主にオンプレミス(自社構築・運用)とクラウド(SaaS)の2種類があります。

    オンプレミス(自社構築・運用)
  • 自社にサーバーを構築し、自社で運用を行う方法です。
    メリットとしてはカスタマイズの制限がないこと、自分たちの資産となることなどが挙げられます。逆にデメリットとしては、初期費用が高額になること、セキュリティ投資などが別途必要になること、運用負担が大きいことなどが挙げられます。
    企業のIT部門にとっては、システムの開発や保守・運用に相当の手間がかかりますし、システムを作り上げ、保守・運用を担ってきた担当者以外は中身がわからず、接続先の追加やEDIと基幹システムとの連携などが行えないといった属人化の状況に陥るリスクもあります。
    クラウド(SaaS)
  • インターネットを通じて、提供会社のサービスを利用する方法です。
    メリットとしては初期費用が比較的安価であること、セキュリティの投資は提供会社が行うこと、運用負担を軽減できることなどが挙げられます。また、財務上はサービス利用料としての計上となるため、資産効率の改善を行うことができます。
    企業のIT部門は、EDI業務を支えるシステムインフラの整備や保守・運用から解放され、EDIというミッションクリティカルな仕組みの可用性や24時間365日の安定稼働を手間をかけずに確保できる可能性が大きくなります。また、人的リソースを、より戦略的で働き手のモチベーションが高いレベルで維持できるIT業務に割り振ることが可能になります。
    逆にデメリットとしては、一般的にカスタマイズに制限があること、他システムとの連携に制限があることなどが挙げられますが、スマクラは柔軟に対応しています。
    オンプレとクラウドを比較した場合、ハウジング費用や運用にかかる人的コストまで考慮すると、長期間で見てもクラウドの方がコスト面でも優位です。

オンプレミスとクラウドの月額費用比較

5.EDIシステムの法制度対応(電帳法・インボイス)とは?

デジタル化が進む現代のビジネス環境において、EDI取引は企業間データ交換の重要な手段となっています。しかし、その利用には法的な要件も伴います。電子帳簿保存法、インボイス制度、下請法、外国送金ISO20022は、企業の経理・税務処理や取引プロセスに大きな影響を与える重要な制度や規格です。電子帳簿保存法は税務関連書類の電子保存ルールを定め、インボイス制度は消費税の仕入税額控除を規定します。EDIの下請法対応は公正な取引環境を確保し、ISO20022対応は国際金融取引を標準化します。これらの制度や規格に適切に対応することで、効率的な業務処理と適正な取引関係の構築が可能となります。

    EDIの電子帳簿保存法対応とは?
  • EDI取引は、電子帳簿保存法(電子帳簿等保存制度)において電子取引の一形態として認識されています。そのため、EDIで授受されるデータを電子取引データとして保存することが義務付けられています。電子帳簿保存法に対応したEDIの活用は、取引の効率化だけでなく、法令遵守とデータの適切な管理にも貢献します。
    電子帳簿保存法は、法人税や所得税等の各税法上、保存が必要な「帳簿(国税関係帳簿)」や「領収書・請求書など(国税関係書類)」の電子保存に関するルールを定めています。この制度は、これらの文書を紙ではなく電子データ(電磁的記録)での保存を認めるもので、「電子帳簿保存」、「スキャナ保存」、「電子取引データ保存」の3つの方法に分類されます。
    一方、インボイス制度(適格請求書等保存方式)は、消費税の仕入税額控除に関する制度です。この制度下では、課税事業者が仕入税額控除を受けるためには、適格請求書発行事業者が発行する適格請求書(インボイス)の保存が必要となります。電子帳簿保存法の対象となっている経費のうち、消費税法上の課税仕入れに該当するものがインボイスの対象となります。
    企業は両制度の要件を満たすことで、適切な税務処理と効率的な文書管理を実現することができます。
    EDIのインボイス対応とは?
  • インボイス制度への対応には、適格請求書の発行方法、受領方法、保存、処理等について検討が必要です。すでにEDIシステムで取引情報をやり取りしており、その中に支払・請求情報が含まれる場合、EDIデータのインボイス対応が必要となります。
    また、電子インボイス保存が義務付けられるサプライヤーにとっても、EDIを活用したインボイス対応はメリットとなります。電子インボイスに向けて、法的要件に基づいたEDI仕様の変更と、仕入税額控除要件を満たすための電子帳簿保存の対応をセットで提供することで、EDI導入企業だけでなくサプライヤーにも以下のメリットをもたらします。
    ●信頼性の向上:サプライヤーは、自社のデータが適切に保存され、法的要件を満たしていることを確信できます。
    ●効率化:電子的な帳簿保存は、紙の書類を減らし、データの管理が効率化されます。
    ●コスト削減:書類の管理や保管にかかるコストが削減されます。
    EDIの下請法対応とは?
  • EDI取引データの保存に当たっては、電子帳簿保存法の対応だけではなく、消費税法や下請代金支払遅延等防止法(下請法)などの対応も確認しておく必要があります。
    下請法は、親事業者と下請事業者との取引の公正性を確保し、下請事業者の利益を保護することを目的としています。
    EDIシステムを導入・運用する際には、下請法の規定に適合するようなデータ管理体制を整えること、法令遵守と業務効率化を両立させるソリューションを選択することが重要です。また、下請法の改正や運用基準の変更に備え、常に最新の情報を入手し、必要に応じてシステムや運用方法を更新していく姿勢が求められます。
    EDIの外国送金ISO20022対応とは?
  • 外国送金のフォーマットが変更されます。EDIシステム(ファームバンキング)で外国送金業務を行っている企業は、2025年11月までの対応が必要です。
    国際銀行間金融通信協会(SWIFT)は、国際的なアンチマネーロンダリングの規制強化や送金処理の迅速化などの外国送金に関する課題への対応を目的に、外国送金のフォーマットをISO20022に移行することを発表しています。ファームバンキングで外国送金業務を行っている企業は、2025年11月までにISO20022対応のフォーマットへの変更や伝送手順の変更だけでなく、関連するシステムの改修も必要となります。
    外国送金を行っている企業において、現在利用しているEDIシステムがISO20022に未対応の場合、早急な対応が求められます。費用面の問題もありますが、特に自社開発システムの場合は期間面での課題が大きいと考えられます。自社構築の場合、要件定義に一定の期間が必要なことに加え、駆け込みの対応依頼が来た場合、人材不足のIT業界では対応が困難であり、11月までの対応ができない可能性があります。短期間での対応を検討する場合、一般的な仕様のEDIを利用しているのであれば、自社構築からEDIサービスの利用へ変更することも有力な選択肢となります。ただし、サプライヤー側のシステム改修や通信テスト等の期間が必要なことを考慮すると、EDIサービス利用を選択する場合でも迅速な対応が求められます。

スマクラは、クラウド型EDIサービスとして、EDIシステム導入をしっかりサポートします。オンプレミスからクラウドへの移行やWeb-EDI導入もお任せください。まずは資料ダウンロード、またはお問い合わせから気軽にお申し込みください。

AnserDATAPORT 接続サービスはこちら

PAGE TOP