お客様の声:auコマース&ライフ株式会社 小林 満 様
auコマース&ライフ
合併後の業務改革の一環として、受発注業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む
事業統括本部 副本部長 兼 ソリューション推進部長
小林 満 様
小林 満 様

企業間取引を支えるクラウドライフライン「スマクラ」の豊富な機能を活かし、EC事業におけるさまざまな取引先に対応した受発注の仕組みを実現。
SCSKには、「スマクラ」の導入だけではなく、ITを利用して業務プロセスや対象範囲を根底から変化させる上で必要な知見や商習慣のクセも交えてアドバイスがあり、本当に助かりました。(小林様)

お客様の課題
合併に伴うEC事業の業態変化への対応
販売管理システム刷新のタイミングでEDI化
流通BMSでの商取引を希望する取引先への対応
課題解決の成果
既存では対応できなかった大手取引先や多くの取引先との仕入れが可能に
受発注の対応が自動化され、担当者、取引先の負荷が大幅に軽減
流通BMS、Web-EDI、メール、FAX等と取引先が望む形式で受発注業務が可能に
同じEC事業でも、まったく異なるビジネスを展開する企業同士が合併
既存の受発注周辺業務のやり方や販売管理システムの延長で業務することは困難に
2019年4月、KDDIコマースフォワード株式会社と株式会社ルクサが合併し誕生したauコマース&ライフ株式会社。この合併は、KDDIグループにおけるライフデザイン領域の中核企業として、総合ショッピングモール「au Wowma!」と、タイムセールサイト「LUXA」やau WALLETポイントが使える通販サイト「au WALLET Market」をひとつの会社に集約し、au経済圏の最大化に向けた取り組みを効率的に進めたいという狙いがあった。
「au Wowma!」は出店店舗にスペースを提供し手数料を得る総合ショッピングモール、「LUXA」は有名/人気ブランドの商品や話題のサービスをセレクトし、短い期間で集中的に販売するというタイムセールサイト。EC事業という点は同じだが、その業態はまったく異なっており、両サービスの強みを生かすべくモール内での直販事業を強化するには課題があった。「LUXA」のように売れ筋の商品のみならず、ロングテールの商品の豊富な品ぞろえと即時出荷できる在庫がなけければ、モール内での過酷な競争に生き残ることは難しい。取り扱う商材の範囲をアパレル、家電、グルメ、日用雑貨の他に、医薬品など多岐に広げた上で、出品数も従来の10倍以上に増やし、安定的な在庫確保が必要となった。
しかしこうなると、既存の販売管理システムで在庫管理をしながら、発注業務として商品種別ごとに必要な商品数に連動させてメールやFAX、電話等で都度、オペレーションすることが非効率で、遅延なく大量の処理をすることが難しくなる。そこで同社は、販売管理システムの刷新と、EDIの仕組みづくりについてITを利用して業務プロセスや対象範囲を根底から変える、すなわちデジタルトランスフォーメーション(DX)を検討することになったのである。
業務革新の仕組みづくりの構築から切り離し、実現すべき業務を効率的、短納期で実装できる「スマクラ」を選定
合併の1年前、各部門に散らばっていた業務改善チームを集約し、業務改革推進部(現ソリューション推進部)を設立した。設立後まもなく部長に就任した小林様は「各部門へこんなふうに業務を変えていきましょうと業務設計や提案実施の音頭をとることが我々の本来の役割ですが、今回の業務改革に合わせ、販売管理システムの刷新やEDIの仕組みづくりについても担当することになりました」と経緯を説明する。
これは、発注業務に取り組むからには、そのベースとなるシステムについても主体的に関わっていくべきだろうという判断だ。また小林氏は、かつて大手ECサイトの開発・保守や、中古品販売チェーンのEC事業システムの開発を担当していたことがあり、そうした経験を今回のプロジェクトに活かすという意図もあった。
小林様は当初、販売管理システム構築とEDIの導入は同一のベンダーに依頼すべきと考えていた。そこで、複数のベンダーにRFPを提示したうえで、販売管理システムについて最も魅力的な提案を行ったベンダーA社に対し、EDIシステムの導入も依頼した。ところが開発が進むにつれ、EDIの仕組みづくりの遅れが目立ってきた。というのも、取引先の多様さに対応しきれなかったのである。
合併後のauコマース&ライフの取引先は、流通BMSへの対応に意欲的な大手メーカーもあれば、FAXやメールでやり取りしている個人商店もあり、その種類はさまざまだ。しかし、A社から提案されたEDIパッケージでは、流通BMS、Web-EDI、メール、FAX、電話といった異なる発注方法のすべてに対応することが難しく、それぞれ個別に開発を行う必要があったのである。同時期に消費税率の変更もあり、このままでは合併以前より目標としていた2019年9月の運用スタートにはとても間に合いそうもない。そこで、EDIの仕組みづくりを販売管理システムの構築から切り離し、あらためて製品を検討。クラウド型サービスとして提供されている「スマクラ」に目をつけたのである。
「スマクラ」はスーパーマーケット業界でデファクト(スタンダード)になっている流通業界標準の流通BMSにも対応し、従来型のEDI、Web-EDI、メール、FAXに加え、豊富な機能が標準設定されている。しかもクラウド型サービス且つ販売管理システムとのインターフェイス連携も容易であるため、既に開発がスタートしている販売管理システムともスムーズな連携が可能だ。また、開発途中という難しい状況にも関わらず、SCSKが柔軟な対応を行ったことも大きかったという。
こうして2019年4月、同社はスマクラの採用を決定。Web-EDIのテストの一部を同社が巻き取るなどの工夫もあって、導入の作業は迅速に完了し、半年足らずで約500社の取引先の切替が完了した。
「スマクラ」の導入により、流通BMSやWeb-EDIを利用している取引先とのやりとりが自動化。各発注への対応が自動で行われるようになり、担当者の負荷は大幅に軽減された。また、FAXやメールなど既存の発注を望む取引先とは、これまで通りのやりとりを続けている。
「まだ本番運用が始まって間もなく、数値で効果を計るには、あまりにも業務プロセスに変化したため単純比較は困難ですが、今後の取引高の増大に対応できる仕組みをつくることができたのは確かです」(小林様)
業界別の個別Web-EDI「スマクラ for Web ブラウザ型」はこちら
導入・運用時の業務負荷軽減サポート「スマクラポータル」はこちら
目指す多角的なEC事業に向け、この取組みを礎に更なるデジタル化に挑戦
auコマース&ライフの業務改革は端緒についたばかりであり、取り組むべき課題はまだ多い。とはいえ今回のプロジェクトで得た経験と取組みは同社の理想の業務、デジタル化を実現するための礎になったことは確かである。
「今回のプロジェクトでは、取り扱う商材の範囲を広げ、モールへの出品数も従来の10倍以上、安定的に在庫を確保という明確な目標があったので、それに向けてまさに手段を選ばずという姿勢で取り組みを進めてきました。そういう意味では、開発途中でベンダーを変更したのもいい経験になったと思います。特に今回のプロジェクトでは、SCSKが持っている各業界の商取引に対する知見の深さ、ユーザー視点で提案し、リードしてくれたことでずいぶんと助けてもらいました。例えばパイロット取引先の選定方法、抑えるべき取引先の選定、取引先説明会の段取り、他社事例などを踏まえ、業界の商慣習、仕入計上払いの変更方法など、単なる技術だけでなく、そうした支援能力まで含めてパートナーを選ぶことの重要性がわかりました」(小林様)
auコマース&ライフでは現在、「こころに届く仕事」を企業理念とし、多くの情報があふれ、生活がますます便利になる時代だからこそ私たちは、利便性だけでない、体験価値を追究したいという想いを胸に、今後はその実現に向けて、SCSKの豊富な業務知識や経験より協力を得ながら、さらなる取り組みを加速させていくことだろう。
SCSK担当者からの声
auコマース&ライフ様には、FAXやメールなど手作業で行っていた取引先様への発注業務のEDI化、さらに法令対応(軽減税率対応、電子インボイス)を意識し、流通業界の標準メッセージである流通BMSへの対応を目的としてスマクラをご採用いただきました。プロジェクト期間5カ月のうち約1か月強で500余りの取引先との接続という非常に緊密なスケジュールでしたが、SCSKのサポート範囲とお客様の対応範囲を明確化、標準化された資料の活用、週次でのお客様との対面での打ち合わせの実施などにより、遅延なく稼働することができました。スマクラには取引先とのヘルプデスクも備わっているため、稼働後のお客様の負担軽減にも寄与できていると考えています。
【会社名】auコマース&ライフ株式会社
【本社所在地】〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-23-21 渋谷キャスト11F/12F(受付)
【設立】2010年10月18日
※2019年11月のインタビューです。

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