お客様の声:丸紅株式会社 古川 哲也 様・児玉 純子 様
丸紅株式会社
丸紅の食品事業を支えるEDI基盤を刷新
得意先、仕入先、倉庫の業務改革を推進しDX化を実現
~『食』の安定供給に重要な受発注システムを高機能なクラウドサービスへ移行。SCSKのプロジェクト推進能力により大規模なEDIシステムを切り替え、業務効率化を実現~
食品原料部 食品原料第一課 担当課長
古川 哲也 様(写真左)
生活産業グループ管理部 食料・アグリ事業システム課
児玉 純子 様(写真右)
丸紅株式会社 古川 哲也 様・児玉 純子 様

総合商社の丸紅株式会社(以下、丸紅)は、食品事業の根幹を支えるEDIシステムをSCSK株式会社(以下、SCSK)のEDIサービス「スマクラ」へ全面的に切り替えた。多くの取引先との受発注が「スマクラ」に切り替わったが、今回は特に業務改善につながった事例を紹介する。これまでは、大口顧客から受注のみデータで受領し、それ以降の出荷回答などのプロセスがアナログであった。取引量が増えるにつれ、出荷までのリードタイムの圧迫や膨大な紙伝票とその入力作業などが大きな課題となっていた。これらの問題を「スマクラ」でどのように改善していったのか。

お客様の課題
EDIシステムの保守期限切れに伴い、システムの刷新が必要だった
「INSネット」(デジタル通信モード)の終了が控えていた
紙やFAXでやり取りしていた倉庫への出荷依頼を効率化したかった
課題解決の成果
クラウド型のため、取引先の追加など運用の手間が削減された
得意先、倉庫双方の伝票起票作業、登録作業が大幅に削減できた
出荷依頼が3-4時間早くなり、倉庫の出荷作業に余裕が生まれた
日本の『食』を支えるEDI基盤
2022年3月期の連結決算で4,243億円の過去最高益を達成した総合商社、丸紅。同社の中心的なビジネスの一つが食料品の事業だ。同事業の一翼を担う食料第一本部では、小麦粉・砂糖・油脂などの食品原料から、コーヒー・茶・果汁などの飲料原料、市販用食品、業務用食材、乳製品、飲料原料、生鮮系の加工品に至るまで、多岐にわたる商材を扱い、食品業界で確固たる地位を築いている。
丸紅株式会社 古川 哲也 様
「丸紅は、食料品サプライチェーンの“川上”にあたる原料調達の能力が高いことで広く知られていますが、“川下”の販売の部分にも強みがあります。例えば、コーヒー原料については国内輸入販売シェア3割を誇っていますし、食品原料のビジネスに関しても大手のお客さまと数多く取引しています」と、丸紅 食品原料部 食品原料第一課 担当課長の古川哲也氏は言う。
その食品原料部のビジネスを支えている基幹システムの一つが、EDIだ。「食料品のビジネスは、仕入れて販売する商材が多品種かつ大量で、取引先も数多くあります。そのため、仕入先や得意先との取引を効率化するEDIの仕組みが欠かせません」(古川氏)
その仕組みとして、食品原料部が活用したのが、SCSKのEDIサービス「スマクラ」である。
『食』の安定供給のためスマクラを導入し、EDIをアウトソーシング
丸紅がスマクラを採用した背景には2つの要因がある。1つは、食品原料部をはじめとする食料第一本部が長年にわたって使用してきたEDIシステムが保守期限切れを迎えたこと。もう1つは、EDI通信に利用しているISDN回線サービス「INSネット」(デジタル通信モード)が2024年1月で終了することだ。
「これら2つの課題を一挙に解決すべく、旧来のシステムをインターネット手順に対応したEDIシステムに乗せ換えようと考えました。また、システム運用に手間がかからず、機能や取引先の拡張・追加も柔軟に行えるクラウド型のEDIサービスを探し、結果として選んだのがスマクラです」と、丸紅 生活産業グループ管理部 食料・アグリ事業システム課の児玉純子氏は振り返る。
クラウド型のEDIサービスが他にもあるなか、スマクラを選択した理由について児玉氏は次のように説明する。
丸紅株式会社 児玉 純子 様
「スマクラは食品業界で広く使われ、事実上のデファクトスタンダードといえるようなEDIサービスです。その点で、食品事業の取引を支えるのに最適なサービスと判断できました。食品業界のEDIに関するSCSKの知見・経験を基にした、提案力、課題解決力、サポート力にも大いに期待が持てました」
加えて大きかったのは、大口顧客である大手食品メーカーA社もスマクラを採用していたことだ。A社は、スマクラを使い原料仕入れのプロセスを大きく変えようとしており、丸紅のEDIシステムは、その要求に適応することが求められていた。スマクラが食品製造業に特化したWeb-EDIの機能を持っていることに加え、A社のシステム構成を熟知しているSCSKに依頼することで安価かつ安定したサービス提供を受けられる。そのことが決め手になり、スマクラの採用に踏み切ったと児玉氏は付け加える。
大口顧客との取引が効率化、紙伝票の95%超を削減
スマクラの採用を決めた丸紅では、2021年10月からSCSKとともに新EDIシステムの構築プロジェクトを始動させ、2022年6月から新システムの運用を始動させている。
新EDIシステムでは、得意先、仕入先、倉庫とインターネット系の手順やWeb-EDIを介してつながっている。また、丸紅の要望に沿った、EDIサービスの継続性を担保するBCPサービスも組み込まれている。
この新EDIシステムへの移行によって、特に大きく変化したのは大口顧客A社との取引のプロセスだ(図参照)。旧来から、A社からの受注はEDIシステムで受け取っていたが、それ以降の出荷回答、受領確認、請求などの処理はすべて紙伝票やFAXを使って行われていた。「多くの受注を頂くため、倉庫に出荷依頼がタイムリーに伝えられず、倉庫が商品出荷の手配に手間がかかることがありました。また、取引量が多い故に、紙伝票の枚数も相当数に上っていました」と、古川氏は明かす。
スマクラの持つ業界特化型の食品製造業向けWeb-EDIを導入し、A社からの受注を倉庫にリアルタイムに連携することにより、日々3-4時間早く出荷業務に取り掛かれるようになった。これにより、トラックの準備などの出荷作業に余裕を持たせる事が出来るようになった。A社も伝票入力ではなく、出荷データを基幹システムに自動取り込みをすることにより業務効率化につながっている。紙伝票も95%以上削減されたという。
丸紅におけるスマクラ活用のイメージ
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SCSKのEDIプロジェクト推進能力を高く評価
児玉氏は、これらの効果をもたらしたSCSKを高く評価する。
「今回、SCSKには、複数の大口顧客の要望に合わせた仕組みを構築してもらい、トラブルなく大きく業務効率化に貢献頂きました。この大がかりな開発をスケジュール通りに完遂したSCSKの技量とプロジェクト推進能力、スマクラのWeb-EDIの機能は私たちの期待を超えるものです」(児玉氏)
こうしたSCSKとスマクラへの信頼から、丸紅では新EDIシステムのさらなる機能拡張をすでに計画している。
「今回のプロジェクトを通じて、スマクラのサービスとSCSKの技術力、サポート品質の高さに確信が持てました。まだアナログなプロセスが残っている取引が多くあるため、それをスマクラに乗せ換えていく可能性も探っていきます」(児玉氏)
丸紅でスマクラが活躍する場は早くも広がりを見せている。
SCSK担当者からの声
丸紅様の食品事業は、世の中の食の安定供給に欠かせない存在です。
その重要なインフラとしてスマクラを採用頂きました。コロナ禍でのプロジェクトでしたが、丸紅様の多大なるご協力もあり、コミュニケーションを密にして進めることで、大きなトラブルもなく安定稼働させる事ができました。
今後も丸紅様の業務に貢献できるよう、高品質で満足度の高いサービスをスピーディーに導入すべく積極的なご支援を続けてまいります。
産業ソリューション事業本部 産業ソリューション第四部 第二課 杉本 剛
【会社名】丸紅株式会社
【本社所在地】〒100-8088 東京都千代田区大手町一丁目4番2号
【創業】1858年5月
※2022年12月のインタビューです。

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