EDIコラム「SAPとEDI連携が加速させるDX推進と業務のデジタル化による企業変革」(2025/7/4更新)

企業を取り巻くビジネス環境は、デジタル技術の進展や法規制の強化、グローバル競争の激化などにより、かつてないスピードで変化しています。業務効率化やコスト削減、法令対応、競争力強化は、今やすべての企業にとって不可欠な課題です。こうした背景の中、基幹システムであるSAPと、企業間取引の電子化を担うEDIの連携が、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を強力に推進しています。
本コラムでは、SAPとEDIの特徴やメリット、そして両者を連携させることで得られる具体的な効果について解説します。
SAPは、ドイツのSAP社が開発・提供する基幹業務システム(ERP:Enterprise Resource Planning)です。会計、販売、購買、在庫管理、生産管理、人事など、企業の根幹となる業務プロセスを一元的かつリアルタイムで管理できる点が大きな特徴です。従来は部門ごとに独立したシステムを運用していたため、データの二重入力や不整合、情報伝達の遅延といった課題が生じていましたが、SAPの導入により全社的な情報の統合と可視化が進み、業務効率化や迅速な意思決定が実現します。
さらに、SAPは多様な業種・業態や各国の法制度、商習慣にも柔軟に対応できる標準機能を備えており、グローバル展開を目指す企業にとっても強力な基盤となります。国際会計基準(IFRS)や各国の税制への対応も可能で、企業の成長や変化に合わせてシステムを柔軟に拡張できる点も大きな魅力です。
EDI(Electronic Data Interchange)は、企業間で発注書や請求書、納品書などの商取引データを電子的に交換する仕組みです。従来は紙やFAX、メールでやり取りしていた取引情報を、システム間で自動的に送受信することで、業務の自動化と効率化を実現します。EDIの導入により、手作業による入力ミスや作業時間の削減、ペーパーレス化によるコスト削減、取引スピードやデータの正確性・信頼性の向上など、多くのメリットが得られます。
また、近年の電子帳簿保存法改正(電子取引データの電子保存義務化)や、2024年のINSネット終了(固定電話回線を利用した従来型EDIの終了)など、法令や社会的要請にも柔軟に対応できる点が、現代の企業にとって重要なポイントです。
SAPとEDIの連携は、企業に多くのメリットをもたらします。まず、EDIを通じて取引先との受発注や請求などのデータを自動的にSAPシステムへ取り込むことで、手作業によるデータ入力が不要となり、業務の効率化と入力ミスの削減が実現します。これにより、作業スピードが向上し、業務品質も高まります。
たとえば、調達や購買業務においては、他部署からの依頼でサプライヤーへ発注し、納期回答を受け取る際、SAPとEDIが連携していれば納期情報が自動的に他部署へ伝達されます。このようにデータが一元管理されると、蓄積されたデータを経営分析や意思決定に活用しやすくなります。また、電子帳簿保存法などの法令対応も強化され、EDIデータの電子保存や監査時の迅速なデータ検索が可能となる点も大きなメリットです。
加えて、災害時や緊急時にもデータの保全・業務継続がしやすくなり、BCP(事業継続計画)対策にも寄与します。さらに、取引データの正確性や透明性が高まり、企業間取引の信頼性の向上、書類の電子化や業務自動化によるコスト削減、データ暗号化によるセキュリティ強化、業務全体のスピードアップによる競争力向上など、さまざまな観点から企業価値を高める効果があります。
これらのメリットにより、SAPとEDIの連携は企業の業務効率化やコスト削減、さらにはDXの推進にも大きく貢献します。
こうしたSAPとEDI連携を実現する具体的なサービスとして、スマクラがあります。
スマクラは、SAPやPROACTIVEをはじめとする多数の基幹システムとの豊富な連携実績を持つクラウド型EDIサービスです。基幹システムとEDIを自動連携することで、業務の効率化や品質の向上を実現します。マルチフォーマット・マルチプロトコル対応により、さまざまな業界標準や取引先システムとの柔軟な接続が可能です。 さらに、電子帳簿保存法や電子インボイス制度、INSネット終了への対応など、最新の法令や社会的要請にも万全に備えています。
また、ビジネス文書のデジタル化・自動連携を実現するSaaS型クラウドサービス「スマクラBDX」は、販売管理システムなどの自社ERPシステムと連携することで、取引先との大量データの送受信や業務自動化を可能にします。特に、取引先が多い企業ほど、その効果を実感いただけます。また、電子契約機能により、契約書の作成から電子署名、取引先への送付までをデジタル完結でき、紙の文書管理や郵送コストの削減、契約プロセスの迅速化も図れます。
このように、スマクラは、基幹システムとEDIの連携を強力にサポートし、企業のDXと業務革新を推進します。既にSAPを利用している企業がスマクラをご利用いただくことで、EDI機能を自社で構築するのに比べて迅速、かつ費用も抑えて導入・運用できます。
企業のデジタル化とDX推進において、SAPとEDIの連携は業務効率化やコスト削減、法令対応、データ活用の高度化など、多方面で大きな効果を発揮します。特に、クラウド型統合EDIサービスとSAPを組み合わせることで、変化の激しいビジネス環境や法規制にも柔軟かつ迅速に対応でき、企業競争力の強化と持続的な成長を実現できます。今後も、SAPとEDI連携による業務の自動化・標準化を推進し、企業変革の基盤づくりを加速していくことが、DX時代を勝ち抜くためのカギとなるでしょう。