株式会社セイミヤ様
株式会社セイミヤ様は、次の三点の業務システム化の基本理念の基、基幹システムの見直しを実施して来られました。
お客様のためになるシステム化
利益のあがるシステム化
人材育成につながるシステム化
その過程の中で、JCA手順の限界、インターネット技術への期待、流通全体最適化への共感等から、流通BMSの導入を決定されました。
- 社名
- 株式会社セイミヤ
- 創業
- 明治20年
- 年商
- 252億円(平成23年度実績)
- 事業内容
- SM(11店舗) SSM(4店舗)の経営
茨城県9店舗、千葉県6店舗 - 関連会社
- 株式会社ウイズ(SM)
JCA手順(2,400bps)を使用しているため、店舗増とともにデータ量も増加し、伝送時間が長くなってきている。
伝票という紙媒体を使用しているため、伝票紛失等により正確性に問題があり、精度向上を図りたい。
EOSにより発注から取引先様での仕入伝票発行までを行っているが、店舗増と比例して伝票枚数も増加しているため、事務作業が負担となってきている。発注から支払いまでの一連の事務作業の省力化を図りたい。
使用メッセージ | 発注、出荷、受領、返品、支払 |
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システム形態 | ASP型 |
タイプ | スマクラ for BMS、スマクラ for Web併用 |
ポイント 導入前の課題に対する効果
通信基盤の課題
本部側はインターネットVPN、取引先はインターネット回線により、高速な通信環境へ!
《スばやく》
伝票上の課題
納品時の仕入伝票が不要!(納品明細書のみ)受領データを取引先に返す事で、取引先は請求書の発行が不要!
《マちがいなく》
事務作業上の課題
取引先に対して受領データを返すことで計上処理としており、違算の発生が無い!
《クまなく》《ラくらく》
ポイントWeb-EDI(流通BMS補完手段)との併用
EDI化率を上げるため、流通BMS導入の困難な取引先様のために、流通BMS補完手段としてWeb-EDIを併用
流通BMSの導入を決定された背景には、どのようなものがあったのでしょうか。
第一に、使用しておりましたJCA手順の限界、というものがあります。
通信機器が入手困難になってきており、保守も限界に来ていましたし、通信時間も長く、取引先にも負担がかかっていました。
第二に、2006年より経済産業省・流通システム開発センターが主催する流通サプライチェーン全体最適化促進事業成果報告会などに積極的に参加する中で、今回こそ、本気で標準化が進められているのではないかという期待と、その考え方に共感を覚えました。
実際には、情報収集の意味合いも含めて、VAN会社、ITベンダー9社にRFPを提出し、提案を依頼しました。
また、取引先様より、「本稼動までの準備期間は、Web-EDIだと2ヶ月かかるが、流通BMSだと1ヶ月で出来る」、「Web-EDIは、パソコンに人を付けなくてはならないので、かえってコスト増になり、効率化にならないので、流通BMSにして欲しい」という声があった事も流通BMSの導入の後押しとなりました。
結局、初期費用、運用費用、導入実績、サービス体制、データセンター状況などを比較検討した結果、SCSK株式会社の「スマクラ」を採用しました。
流通BMSを導入する際にどのような点に留意されましたか?
実は、流通BMSの導入を決定するまでには、本当に流通BMS一本で進めてしまって良いものか、相当悩みました。
というのも、大手の取引先様は殆ど対応可能なので良いのですが、直ぐには流通BMSに対応できない取引先様への配慮はどうしようか、EDI化率を上げるためには、低コストで導入できる手段が必要なのではないか、と。
幸い、SCSK様のスマクラには、流通BMSの補完手段としてのWeb-EDIがありましたので、この問題を解決するために、スマクラfor Webの併用を決めました。
スマクラfor Webであれば、将来の流通BMSへの以降もスムースに行くと考えました。
流通BMS導入後の直接的な効果はどのようなものでしょうか
まず驚いたのは、通信時間の短さです。
いままでのJCA手順では、データ量の多い取引先などは1社あたり30分~60分くらい時間がかかっていました。それが、1万件くらいの全体のデータが1分から3分、一瞬で送信され処理をされてしまう。
いままでの百分の一のスピードでした。
それと受領メッセージ、支払メッセージを活用する事で、請求支払の違算がほとんど出なくなりました。
また、仕入伝票の廃止により、仕入事務関連での省力化が進み、現時点でも60%くらいの工数削減が期待できそうなところまで来ています。
また、直接的な効果ということではありませんが、流通BMSというのは、大手チェーンストアが真剣に取り組んで作られたノウハウの宝庫だと考えます。
標準化というものは、みんながやることに意義があり、普及すればするほど価値があり、効果が生まれる、ということです。
検討時・導入時、一番ご苦労されたのはどのような所でしょうか。
検討時は、あのマッピングシートの複雑さや、「GLN」「GTIN」「ebXML/MS」などの新しい言葉が、自社や取引先で理解できるか、大変不安でした。
導入時は、取引先様とのメッセージテストに大変苦労しました。
テストで何かあると、基幹システムの設計・開発を請け負っていただいているシステムベンダー様、Web-EDI、流通BMSの運用を請け負っていただくSCSK様、接続するお取引先様、それぞれに連絡し、またそれぞれからその回答をいただき、またそれをそれぞれの会社に連絡する、というような事が度々発生しました。
朝から晩まで、受話器が頭から離れない、というような事もありました。
特に、出荷メッセージでは、標準の範囲内であっても、他の量販店では使用実績が少なく、弊社が初めて使用した項目もあり、調整に苦労しました。
今後の展開はどのようにお考えでしょうか。
弊社は、現在のEDI化率が伝票枚数の70~80%です。
目標は90%で、そこまで達すれば、今まで以上の効果が具体的数値であらわれて来ると思います。
残る最後の10%は、ごく取引金額の少ない取引先、ルート納品・季節商品の取引先です。
これらのお取引先様は、どうしても一番最後になってしまうでしょう。ただ、この部分のEDI化も可能と考えていますので、限りなく100%に近づけて、最大限の効果を出して行きたいと考えています。