【特集】 「スーパーマーケット・トレードショー2018」 にてパネルディスカッションを開催(前半)

スーパーマーケット・トレードショー2018
「第52回スーパーマーケット・トレードショー2018」 の中で、「生鮮業務の生産性向上(スマクラ活用) ~流通BMS導入と手書き伝票の撲滅(EDI化率99.7%を達成)青果の不良品分析を実現~」 と題して、パネリストとして、株式会社東急ストア 山口修平氏(経営統括室 情報システム課長)、一般財団法人 流通システム開発センター 坂本真人氏(ソリューション第2部次長)、コーディネータを、一般社団法人 日本スーパーマーケット協会 篠原豊氏(情報システムアドバイザー)に迎え、パネルディスカッションを行いました。
前半は、流通業界の受発注のシステムとしてスタンダードとなっている流通BMSの普及状況について、一般財団法人 流通システム開発センター 坂本真人氏、流通BMSの普及に向けた流通4団体の活動について、一般社団法人 日本スーパーマーケット協会 篠原豊氏の講演資料をご紹介いたします。

一般財団法人 流通システム開発センター 坂本さんにお聞きします。
流通BMSとは何かお教えください。

流通BMS(流通ビジネスメッセージ標準)は、JCA手順による従来型のEDIの課題を解決するために誕生しました。 流通BMSでは、従来の電話回線に代わり、通信回線に高速なインターネットを活用し、通信手順には国際的に標準となっている手順を採用しています。

流通BMSの普及状況に関してお教えください。

流通BMSに対応している小売業は、2016年度に卸研より発表された調査結果では362社、流通BMSに対応している卸・メーカーは、流通BMS協議会で調査された結果では、2017年12月に11,441社となっ ており、流通業界のスタンダードの受発注手順として採用が拡大しています。

現在のJCA手順での受発注に関して、今後、継続できないとの話も出ていますが、このあたりに関して教えてください。

JCA手順による従来型のEDIは、公衆回線を利用した接続手順となっており、NTTの電話回線のIP網移行により利用することが困難となります。
流通BMS協議会では、流通BMSの普及に向けた活動を継続して行っております。また、国内の標準EDIとして、標準外利用の抑止活動も行っており、ルールを守った導入をサポートしています。

軽減税率・インボイスの対応に関しても流通BMSが有効だとお聞きしています。

流通BMSでは、標準仕様の検討段階より、税に関する様々な可能性を考慮し検討が進められてきました。来年導入が予定されている軽減税率に関して、取引番号(伝票番号)単位に税率・税額のデータ項目が定義されており、流通BMSの仕様の変更なしに対応することが可能です。
流通BMS協議会では、各種業界団体主導で財務省・国税庁と、最小限のシステム改修で対応できるよう話し合いを進めており、インボイス対応を含めた手引書の作成を行う予定です。

一般社団法人 日本スーパーマーケット協会 篠原豊氏より、流通BMSの普及に向けた流通4団体の活動に関してご説明します。

スマクラとは、流通団体推奨の流通BMS対応のクラウド型のEDIサービスです。ローコストかつ、短期間導入・安定稼働・EDI化率の向上が図れる事が特徴のサービスとなっています。
流通BMSの導入は、ハードルが高いと考えられている企業様も、スマクラがしっかりサポートするので、専門の知識がなくとも導入することが可能です。
ご採用された企業は、法制度の対応やサーバ・OSの再構築などを気にすることなく永続的に利用することができます。また、毎年機能アップを行っており、常に新しいサービスとして活用いただけます。
スマクラは、部門ごとに特徴のある受発注の業務フローにカスタマイズなしで導入することができる機能を有しています。手書き伝票をローコストかつ短期間で一掃することが可能です。
流通BMSを採用された小売業の4割の企業がスマクラを採用しています。(独自調査)
消費税軽減税率制度の実施に伴い対応が必要となる中小企業・小規模事業者等に対して、複数税率対応レジの導入や、受発注システムの改修等に要する経費の一部を補助することにより、導入等の準備が円滑に進むよう支援する制度です。
複数税率対応として、「A型 複数税率に対応レジの導入等支援」「B型 受発注システムの改修支援等」2つの申請類型があります。
スマクラは、2018年1月より、B-2型の補助金対象のサービスとなりました。
流通BMSをただのJCAからの通信インフラの置き換えとして考えた場合、小売業・卸業にとって業務面でのメリットはあまりないとのお話も出ています。
後半は、流通BMSの導入を機に業務改革を、特に生鮮部門でも業務改革を行い、手書き伝票の運用を0.3%まで抑えるとこに成功した東急ストア様の取り組みについて伺いたいと思います。