株式会社与野フードセンター様 第1回

事例でわかる流通BMS導入プロジェクトの詳しい進め方
「流通BMSは導入したいが、プロジェクトの進め方がわからないので不安」という声が多くのスーパーマーケットから寄せられています。確かに不安は多いと思いますが、実際は想像以上に難しくありません。そこで今回は、スマクラを採用して流通BMSの導入を進めている株式会社与野フードセンター(以下、与野フード)様の事例を通して、具体的な手順を解説していきます。

株式会社与野フードセンター

与野フードセンターは1960年に埼玉県与野市(現さいたま市)で創業した食品スーパーマーケットです。「よい物を安価に」をモットーに、地域密着で18店舗を展開しています。


連載第1回 第1回目は、導入の第一歩である「キックオフ」について説明します。スマクラサービスを正式発注後、プロジェクトメンバーが初めて顔を合わせる重要なミーティングです。流通BMSの利用範囲や移行スケジュールなどを全員で確認し、スタートダッシュに踏み切りましょう。
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キックオフでは具体的に何をするのでしょうか。

キックオフの大きな役割は、本番前の顔合わせです。「何を」、「いつまでに」、「どのように進めていくか」を、参加者全員で共有します。つまり、"これから決めなければならないことを全員で決める"作業です。

キックオフには誰が出席すればいいのですか。

導入に関わるすべての人が集まります。導入企業からは、情報システム部門の責任者と、担当者に参加いただいています。売上げ数百億円規模のスーパー様なら約2、3人、数千億円規模なら4、5人が一般的です。
その他、基幹システムの構築・保守を担当しているITベンダー(自社で構築された場合は担当者)の方に出席いただきます。スマクラチーム(SCSK)からは営業担当とPL、SEが出向きます。
与野フード様の例ですと、担当部長様と担当者様の2名。あと、基幹システムを担当するITベンダーから1名様にご参加いただきました。

キックオフミーティングはどのくらいの時間がかかるのでしょうか。

2時間程度が平均的です。スマクラチームが事前に用意した叩き台の資料を見ながら、確認作業を進めていきます。

キックオフは何回開催する必要がありますか。

1回のみです。キックオフの場で何かを確定させる必要はありません。あくまでも疑問点を確認し合う作業が中心となります。

キックオフで確認することは何ですか。

「①新旧システムの構成」「②サービスの利用範囲」「③移行スケジュール」「④プロジェクト体制・会議体」の4つを確認します。

「①新旧システムの構成」は何を確認すればよいのですか。

流通BMSに関わる「場所」「システム」「データ」にヌケ・モレがないようにすべてを俯瞰します。そのうえで、現状のシステム構成図と新しいシステム構成図の2つを並べて比較し、スマクラの利用範囲を確認していきます。
与野フード様の例ですと、与野本社にあるシステムを介して、取引先とデータ交換することが最終的な目的です。現状の環境は、JCA手順のEDIシステムと、手書伝票の2本立てで行っていたため、EDIシステムは「スマクラ for BMS」へ、手書伝票は「スマクラ for Web」へ移行を検討する所からスタートしました。

■新システムの構成図

「スマクラ for BMS」単独の導入はできないのですか。

多くの小売業は、既存のEDIシステムのほかに、手書伝票、FAXなどの受注方法も併用しています。しかも取引先は、町のお豆腐屋さんから、卸売業、メーカーまで何十社、何百社にも及ぶため、すべてをまとめて「スマクラ for BMS」に移行するのは困難です。今すぐ流通BMSに移行できない取引先については、既存の手段を残したり、別の手段を代用して次のステップにつなげたりと、いくつかの方法を組み合わせて切り替えるケースが一般的です。
与野フード様でも、今まで手書伝票で行ってきた取引先とデータ交換を始めることを最優先としました。そのため、まずは「スマクラ for Web」で手書伝票からデータ交換に切り替え、順次「スマクラ for BMS」に移行させていくことを考えました。

「②サービスの利用範囲」では何を決めるのですか。

流通BMSには、発注・出荷・受領・返品・請求・支払などのメッセージが定められています。その中でどのメッセージを交換するかを導入企業の事情に応じて確認します。
与野フード様では今まで、「発注データ」の1メッセージのみを取引先に送っていました。注文後も出荷データは取引先からもらっていなかったため、同社の物流センターに納品された現物を検品し、その結果を「受領証」として取引先に返すという負担が生じています。そこで今回は、発注、出荷、受領の3メッセージを流通BMSの標準データ形式でやり取りすることを決めました。それによって、今までも人手を介した作業が廃止でき、業務の効率化につながります。一方、「スマクラ for Web」は、センター納品や手書伝票の処理を標準でカバーしているため、カスタマイズをせずそのまま利用する方針としました。

「③移行スケジュール」はどのように決めるのでしょう。

準備をいつまでに終え、いつまでに導入するかを確認します。導入企業には、基幹システムの更新や、物流センターの設立・移行などそれぞれの事情があるケースがあります。そこで、それらを考慮しながらスケジュールを決めていくケースが一般的です。
基幹システムに大きな改修が入る予定があれば、全体のスケジュールは長めに確保する必要がありますし、物流センターをオープンするといった事情があれば、そこに間に合わせましょうといった確認をします。
与野フード様では、2013年4月から新しい生鮮センターを稼働させる計画がありました。そこで、生鮮センター稼働に合わせてスケジュールを2段階に設定。まずは生鮮センター利用の取引先の移行を優先し、2013年4月までに「スマクラ for Web」を稼働させる方針を決定。2013年1月に取引先説明会を実施して、2~3月にかけて「スマクラ for Web」による接続テストを実施する計画を立てました。「スマクラ for BMS」は、新生鮮センター稼働後の2013年5月から順次移行することとし、4月から取引先説明会を順次実施する予定です。

■移行スケジュール

キックオフから、流通BMSへの切り替えにはどの程度の期間がかかるのですか。

キックオフ後から始まる要件定義で1カ月~2カ月。その後、パイロット取引先との接続テストで1カ月~2カ月、取引先説明会の開催と本番用システム開発で1カ月~2カ月。全体で3カ月~6カ月程度を見込んでください。
与野フード様の場合は、「スマクラ for Web」と「スマクラ for BMS」を2段階に分けて行うため、それぞれ3カ月で合計6カ月程度を想定しています。

「④プロジェクト体制・会議体」では何を決めるのですか。

今後の段取りを確認します。スマクラチームが過去に導入を手がけた実績をベースに、プロジェクト体制図や今後の会議方針などを導入企業様に提案。そこで問題がなければ、次の「要件定義」フェーズに移ることになります。

キックオフ後に必要な作業は何ですか。

キックオフで明らかになった課題をクリアにすることです。スマクラチームが優先事項を付けて確認していきますので、その段取りに応じてご検討ください。スマクラチームではキックオフで話し合った内容をベースに、システム構成、導入範囲、スケジュールなどを改めて提案して進捗を管理します。

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