株式会社東急ストア様

VAN会社2社体制から流通BMS対応のスマクラに移行。同社の要望がスマクラの新機能開発にも結びつく 5つの成果
東急グループの株式会社東急ストア様は、首都圏の東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、及び静岡県に、食品スーパーの「東急ストア」、高級志向の食の専門館「プレッセ」など、4業態83店舗を展開されています。お取引先様とのEDIは、以前はVAN会社2社(A社・B社)を利用されていましたが、長期にわたり見直しがなされておらず、VAN会社とお取引先様とのサービス直接契約、利用コスト、サービス機能などの見直しが必要な時期に来ていました。
2012年に流通BMSの導入を視野に入れたEDI切替プロジェクトをスタートし、第一ステップとして、VAN会社A社分(260社接続分)を「スマクラ」へ切替えました。その後、2017年7月に、残りのVAN会社B社分(150社接続分)もスマクラに切替え、VAN会社の1本化と流通BMS化を完了されました。

スマクラへの切替えをご担当された、経営統括室情報システム 部長 鈴木恵介様と、経営統括室情報システム 情報システム課長 山口修平様に、導入決定の経緯、システム構築の過程、導入後の成果などをお話しいただき、4回に分けてご紹介いたします。(お二人のお話を統合しています。)
連載第2回
スマクラ稼働後の2013年8月東急ストア様は、手書き伝票撲滅の取り組みをスタートされ、まず出荷開始型取引(通常のEDI発注以外の電話/FAXでの緊急発注など)の手書き伝票の削減からスタート。この際、内部統制の観点から承認機能を付けるという要望を出され、この承認機能はスマクラのオプション機能となりました。その後、年賀状に関わる手書き伝票削減も行い、最大で月間4万枚あった手書き伝票を、月間3,000枚にまで減らすことに成功されました。第2回では、その過程をお伺いしました。
第1回をみる

手書き伝票撲滅を進められた経緯は?

スマクラ導入当時、EDI化率が98%まで進んでいたものの、まだ最大で月間4万枚の手書き伝票がありました。
残っていた手書き伝票の内、最も多かったのは、出荷開始型の取引に関わる伝票です。出荷開始型の手書き伝票は、外部会社に委託しデータ化してもらっていたので、1枚数十円のコストが発生し、月間4万枚ともなれば総コストは膨大です。当社は、全社的にコスト削減に取り組んでおり、情報システムにとって、手書き伝票の撲滅は長年の課題でした。
当社がスマクラを導入した当時は、まだ流通BMSで出荷開始型取引の標準化がされていなかったのですが、せっかく受発注システムをスマクラに移行したのに、出荷開始型のお取引先様だけ別の仕組みで動かすのは、効率的ではありません。そこで、「出荷開始型の取引についてもスマクラforWebに移行できないか」と考え、SCSKさんに相談した結果、スマクラforWebの手書き伝票機能をカスタマイズで実装するという方針が決まり、2013年8月に手書き伝票撲滅の取り組みをスタートさせました。

お取引先様との取り組みについてはどのように?

出荷開始型の手書き伝票は、お取引先様が実際に伝票を手書きで起票していたわけではなく、お取引先様は自社システムに手入力し、ドットインパクトプリンターなどで印字された伝票を納品するケースがほとんどでした。つまり、お取引先様が手入力し印字された伝票を、当社は外部会社に委託し、そこでもデータの手入力を行っていたのです。これでは二度手間で余分なコストがかかるだけでなく、手入力する際にミスが生じる危険性もあります。
お取引先様に当社用にカスタマイズしたスマクラforWebの画面から、伝票情報を入力していただければ、A4サイズでのPDF出力が可能なため、専用伝票やインクが必要なドットインパクトプリンターでの印字も不要になります。スマクラforWebは当社の商品マスタと連携しているため、マスタから商品情報を呼び出すことはもちろん、マスタ登録がないイレギュラーな商品に関しても、部門コードを呼び出して部門仕入れという形をとることで、伝票起票が可能です。
2013年11月にお取引先様説明会を開き、当社との取引は、基本的にスマクラforWebの画面上で全て対応可能で、月末か翌月には受領データが確認できることをお取引先様にお話し、双方にメリットがあることをご説明しました。お取引先様も、コストを削減したいという思いは当社と同じです。お取引先様の大半が協力的だったため、切替えはスムーズに進み、約2万枚の手書き伝票を削減することができました。

出荷開始型の伝票に「内部統制」という観点から承認機能を付けられた理由は?

出荷開始型の取引は、EDI発注に間に合わない緊急対応のため、店舗から電話やFAXで発注するので、その情報がデータで残りません。もし、内部統制がなされていなければ、当社が発注したものと別の商品や、発注していない商品が納品された場合、原因の確認が取れない恐れがあります。
こうした事態を避けるために、SCSKさんに出荷開始型の取引について、店舗と本部バイヤーが承認しないと、基幹システムに伝票データを取り込めない機能(承認機能)を実装して欲しいとお願いしました。以前からシステム導入における内部統制を徹底している当社にとって、この機能は必須要件でした。
SCSKさんは初めてのケースで戸惑われたようですが、当社の考えを理解し、スマクラforWebの手書き伝票機能に、カスタマイズで承認機能を実装してくれました。これにより、出荷開始型の伝票は、店舗が確かに発注したことを承認したうえで、本部が承認し、基幹システムに取り込むため、責任の所在が明確になり、あとで問題が生じることがありません。同様に、物流センターにおける出荷開始型伝票にも、承認機能を付けていただきました。 業務フロー

その後のペーパーレス化の進捗は?

当社は、伊豆に3店舗を構えていますが、個人経営の現地お取引先様が多く、EDI化が進んでいませんでした。手書き伝票撲滅のためには、このお取引先様とのEDI化も必須と考え、個々のお取引先様にご説明をし、2015年3月にはスマクラに移行し、EDI化を実現しました。また、伊豆には専門店も構えています。2015年5月に専門店のお取引先様向けの説明会も行い、「これまで手書きで起票していただいていた伝票について、パソコンを使って、同じ内容をスマクラforWebの画面に入力すればいいため、負担は少ない」というご説明をし、ご協力を得ることができました。
そして最後に残ったのが、年末に各店舗でお客様から承った年賀状の印刷を、専門会社様に依頼した際に発生する手書き伝票でした。お客様にご記入いただいた承り用紙を元に専門会社様が、刷り上がった年賀状に手書き伝票を付けて各店舗に納品しており、出荷開始型と流れは同じです。お客様一人に対し1枚の伝票が必要で、年末には、大量の手書き伝票が生じます。手書き伝票の手入力は外部会社に委託していたので、コストもかさんでいました。
この専門会社様についても、SCSKさんと協力してスマクラforWebを活用する説明を行ったことで、EDI化にご協力いただき、手書き伝票の大幅削減が実現しました。その結果、コスト削減だけでなく、経理部門での伝票チェックの業務もなくなるなど、様々な波及効果がありました。
さらに、2015年6月に、まだEDI化していないお取引先様への説明会を実施したことで、手書き伝票が月間3,000枚まで減りました。現在、EDI化率は99.6~99.7%まで進んでいます。
残りの手書き伝票は、こだわりの商品を扱う「プレッセ」のお取引先様との取引や、一部の生鮮品の緊急対応により発生するものなどがありますが、まだまだ減らす余地はあると思っています。
実際に利益を得る営業部門と異なり、情報システム部門の会社への貢献度は表面に出にくいのが実情です。いわば縁の下の力持ちですが、システム化を進めることで、無駄を省き、コスト削減に寄与すことが我々の役目だと思っています。 手書仕入伝票発行実績

第3回は「スマクラに更にカスタマイズを実装し青果不良品報告システムをプラス」についてご紹介します。

 株式会社東急ストア
【本社所在地】 東京都目黒区上目黒1丁目21番21号
【創業】 昭和31年10月10日
【年商】 2,036億48百万円(平成28年度)
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